ウィンターオーバーシード 春のトランジッション編

ウィンターオーバーシード 春のトランジッション編

トランジッションとは…

トランジッションとは秋に種まきした寒地型芝を衰退させ暖地型芝に切り替えること。

ウィンターオーバーシードはベース芝となるティフトン419などの暖地型芝が気温の高くなる春からの時期に元気に生育する必要があります。

春の時期は寒地型芝にとっても生育に適した時期となりますので、生育競争を起こし、暖地型芝が元気に育たなくなってしまうこともあります。

そこで寒地型芝を低く刈り込んだり、更新作業をしたり、水を切らしたり、目砂を入れたりすることで暖地型芝が元気に育つためにする作業をトランジッションと呼びます。

ヤマハスタジアム(磐田)では3月から6月の間をトランジッションの期間としているとのこと。

特定の作業がトランジッションというわけではなく、この期間に行う作業はトランジッションに結びつくということでした。

作業の内容はこれまでの経験と寒地型芝と暖地型芝の生育の様子を常に観察しながら決められています。

特にヤマハスタジアム(磐田)では日陰になりやすいメインスタンド側と、バックスタンド側の芝生では刈高を変えていたり、エアレーションの深さを変えるなど工夫されていました。

これは日陰になりやすい場所ではベースのティフトン419よりもペレニアルライグラスの方が育ちやすい環境のため。

それでは、作業の一部をトランジッションの目線からご紹介します。



作業行程

芝刈り

低く刈り込みをして、日光を当てることでベース芝のティフトン419の生育がよくなります。

そのためにゴルフ場のグリーンで使われる芝刈り機 バロネス グリーンモア(LM66GB)を使って刈高を低く芝刈りしたりもします。

エアレーション

エアレーションをして、ペレニアルライグラスを間引きします。

あいた穴からベース芝のティフトン419が出てくるようにします。

また水が抜けやすくすることでペレニアルライグラスの生育を抑える効果もあります。

バーチカル

バーチカルをして、ペレニアルライグラスを弱らせると同時に、選手のスパイクに引っかからないように株化するのを防ぎます。

このような作業を続けて、7月までにはペレニアルライグラスがなくなるようにしていきます。

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